後戻りを防止するリテーナー・保定装置の説明

リテーナー(後戻り防止)

リテーナー(後戻り防止)

リテーナー・保定装置

リテーナー・保定装置とは歯列矯正治療が終了した後に、まだ不安定な歯並びを固定させるための取り外しができる保定装置です。
矯正治療後は、歯と歯茎の間の繊維が元に戻ろうとする力を歯に加えるため、放置しておくと、せっかく綺麗になった歯並びが元に戻る『後戻り』を起こして しまいます。
そのため、綺麗な歯並びを安定させるためのリテーナー・保定装置を使用します。
リテーナー・保定装置を使用する期間を『保定期間』といいます。

保定の目的

矯正治療後のリテーナー・保定装置の使用期間(保定期間)は一般的に動的期間と同じ時間およそ2~3年使用します。
一般的なリテーナー・保定装置は歯の外側に沿ったハリガネと、裏側に沿った合成樹脂(レジン性)のプレートからできております。
リテーナー・保定装置は矯正装置とは違い取り外しが出来るので、歯を磨く時は外すことが出来ます。
つまり、ガッチリと歯を固定するのではなくある程度の余裕を持たせ徐々に歯並びを馴染ませるようにするのがリテーナー・保定装置を使用する目的なのです。
そのため、装着をしても痛みはありません。 ただし、一時的に外した後に装着するのを忘れると後戻りを起こしてしまったり、歯が移動してしまいリテーナー・保定装置が合わなくなってしまうので、ご注意して下さい。

保定期間

矯正治療が終わり約1年間は、歯を磨く時以外はリテーナー・保定装置を装着して頂きますが、歯の位置が徐々に馴染んできましたら、担当の歯科医師と相談しながら少しずつリテーナー・保定装置を外す時間を増やしていきます。
まずは、食事の間の1時間ほど、さらに慣れてきたら3時間、6時間と段階を踏み就寝時のみ装着するようにします。
約2年~3年ほどリテーナー・保定装置を使用し、歯がかなり安定してきたら担当の歯科医師と相談の上リテーナー・保定装置を外します。

保定の注意点

  • リテーナー・保定装置は口腔内の違和感を少なくするために裏側のプレート部分が薄く作られております。そのため、歯磨き時に外したときや洗浄時に力を入れすぎると破損してしまう場合がございます。

  • リテーナー・保定装置の洗浄には必ず専用の洗浄剤を使用するようにしましょう。およそ30分ほど漬けることが洗浄の目安です。長く漬けすぎると金属部分が溶けだしてしまい、破損の原因となります。

  • ガムを食べるとリテーナー・保定装置に付着し取れなくなってしまう場合がありますので、装着中はガムを食べないでください。

保定装置の種類

ベックタイプリテーナー(可撒式)

取り外しができる一般的なリテーナー・保定装置です。
歯の表側に沿ったワイヤーと、裏側の透明なプラスチックのプレートからできています。

ホーレータイプリテーナー(可撒式)

ベックタイプリテーナー・保定装置と同様に、歯の表側をワイヤーと裏側のプラスチックのプレートから出来ている取り外しができるリテーナー・保定装置です。
後戻りを起こしやすい前歯の身を表側からワイヤーで抑えるタイプです。

クリアリテーナー(可撒式)

取り外しができるマウスピースタイプのリテーナー・保定装置です。
素材がアクリル樹脂やラバー系のため、透明で目立たないのが特徴で、審美的にも優れております。

フィックスタイプリテーナー(固定式)

取り外しができない固定式のリテーナー・保定装置です。歯の裏側にワイヤーを接着し固定して後戻りを防ぎます。
装置が小さく目立ちません。取り外しは出来ませんが、保定に優れているのが特徴です。

まとめ

  • ・矯正治療が終わった直後の歯並びは不安定で元に戻ろうとする『後戻り』が起きる
  • ・リテーナー・保定装置を使った保定期間は動的期間と同じおよそ2~3年ほど
  • ・約1年間は歯磨き以外は装着し、歯科医師の指導の下、外す時間を増やしていく
  • ・歯並びが落ち着いても、自分で判断せず歯科医師と相談の上リテーナー・保定装置を外す