八重歯って矯正で治すべき?| 歯並び矯正の豆知識

矯正ブログ

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2019.02.19

八重歯って矯正で治すべき?

こんにちは。桂川浅井歯科医院です。ブログの担当が回ってきて何を書こうかなぁと思っていたところ、今まで長く矯正患者さんを見てきて1人だけ、「八重歯を作ってほしい」と訴えて矯正をスタートした女性の方がおられた事を思い出しました。

誤解されがちですが、八重歯と言うのは単に犬歯が尖っている状態のことではありません。
「八重歯」と呼ばれる状態は専門的には「上顎犬歯の低位唇側転位」と言う一種の奇形で、上顎の犬歯が歯列より唇側に飛び出しているものの事を言います。
犬歯は他の歯と違って噛み合わせの目印や、歯全体にかかる負担の軽減などという大切な役割がある歯です。
下あごは骨と直接つながってるわけではなく、筋肉や靭帯によって支えられているだけなので、とても不安定な状態です。
不安定な下顎の位置を犬歯が定めることで、噛み合わせがずれることなく保たれているのですが、もし犬歯を失った場合、下あごの位置が定まらなくなり、噛み合わせが合わなくなってしまいます。
犬歯には、歯全体にかかる負担の軽減をする作用もあります。そのため、この歯が無くなると他の歯が知覚過敏になってしまうなどの不調を招くこともあります。

日本では一時期、「付け八重歯」が日本で流行っていた事もありましたよね。
ブームが去ってからもアニメの好きな方は八重歯のあるキャラクターの影響で、無邪気さ・小悪魔な感じを連想させる事もあって「可愛い」と思っている人も多いようです。
しかし昔は八重歯は鬼歯と呼ばれたり、子供に八重歯があったら親が非難されることが多かったそうです。
他国ではどうでしょう。
キリスト教圏ではドラキュラ等の怪物に繋がるものとして伝統的にタブー視されていたり。今は宗教的迷信は薄れているものの、同時に歯列矯正の普及も進んでおり、今度は「子供に簡単な手術も受けさせないネグレクトの象徴」という観方が強まっていたりで、あまり良しとされていないみたいです。
その中で唯一フランスでは幸せの歯とされていた事があったそうです。
しかし世界的に見ても八重歯が可愛いというように思っているのは日本だけな感じがします。もちろん矯正治療を行う歯科医師や歯科界の人間は当然治すと考えていますが、一般の方でも最近は治す方も増えてきました。

板野友美さん、相武紗季さん、沢尻エリカさん、ももクロの赤い子…など八重歯があったのに矯正で治す芸能人の方も多いですよね。
個人的には沢尻エリカさんとか、八重歯があったころの方が可愛かったなぁと思うのですが(笑)。

でも先程も少し書きましたが、犬歯というのは奥歯でしっかりと物を噛む時にとても大切な歯です。
まとめますと。歯科側の立場としては「治療」をして綺麗にしっかり噛む事のできる歯並びにする事が必要ですので…八重歯は「治療をして治す」をお勧めしておきます(笑)。